田中耕一さんの、生涯現役研究者であり続ける

田中耕一さんはノーベル化学賞を受賞した日本の宝だ。

2002年「生体高分子の同定および構造解析のための手法の開発」のうちの「質量分析のための『脱イオン化法』の開発」でノーベル化学賞を受賞した。

彼が終始一貫取り組んでいるのは、タンパク質の質量装置、そしてその応用として質量分析のシステムを作り、それを医学薬学の分野で応用すうる、ということだ。

2018年1月、ついに最初の一歩である、血液でアルツハイマー病の要因となる物質がたまっているかどうかを発見できる装置の開発に成功した。

面白いのは、彼がノーベル化学賞を受賞した時、将来は一滴の血液で病気がわかるようになればいいな、と思う、というようなことを話していたが、それが現実となった。

想っていること(思考)は現実化する、という非常に良い例だと思う。

彼がいつも残念に思っているのは、日本では各地で基礎研究が進められている。でもそれがなかなか実際の人に役立つものにまで形作られていない、という現状がある。

いっぽうで企業は様々な分野で冠たる商品やサービスを作っている。という点だ。

彼はこの二つの間をなんとかつなげたい、という気持ちがある。
それがうまく行われれば、日本はもっとすごいことができると言う。

それには、研究開発を単なる研究開発に終わらせず、何かを発見したらそれが人間の未来につながるような応用をしてかなくてはいけない、という考えが原点にあるからだ。

研究が好きで、何か役に立つことをやってきたこと、それが自分の原点だと思います。

彼が長い間研究をし続けていられるのには、このような彼なりのポリシーを持ち続けているからに他ならない。

 

「今まで見れなかった微量なものを見ることで、病気の早期発見、国民健康長寿に役立てたい。」

田中耕一さんが研究者として常に好奇心を持ってプロジェクトを進めていける要因をこう分析する。

「質量分析の特徴なのですが、見れなかったことが見れる それによって分からなかったことがわかる、それが研究者としての好奇心が満たされ、その結果として皆さんの健康長寿に役立てられる、これが魅力だと思います。」

「化学ではすでにほとんどのことが分かっていると思っていたが、少なくても自分にはわからなかった。世界ではじめてのことなのだ、それが最初の一歩、そう思えることが楽しいです。」

新しことがわかるという嬉しさ、これが彼の中で、いまだに続いているのだ。

あくなき探求心、とはこういうものなのだろう。

田中耕一さんは若い人たちにこうエールを贈る。

アイディアをみんな持っているんだけれど、そのアイディアを引っ込めてしまうということがあるんじゃないか。

若い人にとって、こんなことを言っても大家から見れば、これはしょうもない、とかそんなことやっても無駄だとか、そういうアイディアを誰でも持っている。それをとにかくやってみよう。

新しいことをチャレンジする時はほとんどが失敗。
10個のうちの1個でも成功すれば、それはものすごい嬉しさだし、それを繰り返していく。

彼が注力しているのは癌、特に乳がん、前立腺がん、そしてアルツハイマー病である。

まだまだほかにもたくさんの病気があるのだが、とう前置きをしながらも、特に現代において多くの人がかかってしまう、この三つに焦点を当ててシステム開発を行っている。

「他の病気への早期発見にも応用できるものだと思います。
そういったところに幅広く貢献できるためには
違う分野の方々とコミュニケーションをしなくれていけないと思いますす。」

と彼は今後の研究開発に非常に意欲的だ。

それは、このシステムを確立することで、次に来る社会で皆の長寿健康に貢献できる、という確信があるからなのだ。

これからもずっと、生涯研究開発に取り組んでいく、と彼は言っている。そういった環境を整え、彼と彼のチームがさらに前進していけるように、私たちは全面的に協力していかなくてはいけないだろう。

私たちの明るい未来がかかっているのだから。

田中 耕一(たなかこういち)さんってこんな人

生年月日 1959年8月3日
出身  富山県富山市
学歴  富山市立八人町小学校(現・富山市立芝園小学校)→富山市立芝園中学校→富山県立富山中部高等学校→東北大学工学部

所属 島津製作所 東北大学名誉博士

ソフトレーザーによる質量分析技術の開発で文化功労者、文化勲章、ノーベル化学賞を受賞。

生後1カ月で母親が亡くなりその後、叔父夫婦の養子となった。ところがご本人はそのことを知らなくて、大学進学の際に戸籍抄本を取り寄せて初めて知ってショックを受ける。
そのショックも手伝い教養課程在学時に単位を落として1年間の留年生活を送ってしまったほどだった。

現在の奥さんとは、20数回後のお見合いの末に結婚。すごいですね。とても結婚願望が強かったのかもしれません。

2002年ノーベル化学賞受賞。現役サラリーマン初のノーベル賞受賞だった。
受賞後の記者会見の席に、会社の作業服姿で臨んだ姿が印象に残っている人も多いことだろう。

受賞以降も血液一滴で病気の早期発見ができる技術の実用化に向けて研究中だが、2018年1月、ほんのわずかな血液を使い、アルツハイマー病と関係の深い物質が脳にたまっていることを発症前に見つける手法をついに確立した。
日本の未来に大きな一歩となった。

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